健康はすべてたいせつですが、お口から全身の健康を考えていくと、変化し続ける将来のためにも、歯や骨には守るべき順序があるような気がしています。
1・全身の健康
2・顎関節の健康
3・顎骨の健康
4・下顎の歯の健康
5・上顎の歯の健康
たとえどんなにお口の中が健康だとしても、全身の健康状態が良くなければ快適だとは言えません。まずは全身の健康ということを大切に考えた上で、お口の健康についても考えたいと思っています。
自分自身の健康のために、私は次の様な事を心がけています。
・早寝早起き(10時には寝て、目が覚めたら起きて半身浴してます)
・禁煙(禁酒は40歳から57歳まで、禁煙は26歳から現在も)
・半身浴(早起きしてから、仕事までの間)
・靴下と下ズボンの重ね履き(靴下12枚、下ズボン4枚、東和町の「むかご」さんで購入)
・玄米菜食中心(玄米は無農薬有機栽培のそうべい米をいただいています)
・水呑み(半身浴中1リットル、日中1リットル)
・年4回の献血(現在まで38回)→2010年12月に大病を患い献血出来ない体になりました。
・サプリメント(DHA, CoQ10, ナットーキナーゼ、マルチビタミン、ビタミンC、etc.)
・整体(毎月花やはばの菅原先生にチェックを受け施術していただいております)
・氣功(毎月教室に通って古館先生にご指導いただいています)
・オレンジ色サングラス(紫外線・青色光カット用)
「歯科医にとっては眼も命」→白内障・加齢黄斑変性予防、ドライアイ・花粉・粉塵対策
・弓道(2011年8月から家族で花巻弓道会の皆様にお世話いただいております。感謝します)
顎関節の健康が損なわれると、お口を開いたり閉じたりすることが快適にできなくなってしまいます。どんなにお口の中の歯や歯茎が健康だとしても機能を果たすことができません。
顎の関節は左右に一個ずつあり、全身の関節の中でも一番大きく滑走する関節で、ストレスを受けやすい所でもあります。
また、顎関節のすぐ近くには、内耳や三半規管などの大切な器官もあるため、ここまでストレスが波及すると、頭痛、耳鳴り、めまいなどの、いわゆる顎関節症がおこりやすくなります。
自分のお口で食べたい物を快適に美味しく食べていくためには、歯も大切ですが実は顎骨はもっと大切です。
歯を大切にしたいお気持ちはよく分かっているつもりですが、グラグラが進んだ歯を無理して残していると、その周りの骨がどんどん溶けていってしまう場合があります。抜いた後の骨の状態が弱くなり、その後の食生活が大変になってしまう場合があります。
入れ歯を快適に使うためにも、インプラントを埋入するためにも、良い骨の状態を保つことはとても大切だと思っています。
右の写真は70代の総義歯の患者さんの顎骨の状態です。
30代の時に、むし歯があまりに続発するので、私の父親とじっくり相談し、一大決心のもとに全部抜歯して総義歯になさったそうです。父が作った義歯を30年使い続けてくださり、今から約10年前に私が新しくお作りしました。総義歯になって40年程たつのですが、今でも顎骨がしっかりしており、歯のある人と全く同じように何でも食べているそうで、ご自分が入れ歯だと思うのは義歯を清掃する時だけなそうです。
写真右側の入れ歯が30年使って戴いたもので、父がお作りしました。
左側の入れ歯が私がお作りしてから7年経った時のものです。(保険外自費治療)
写真右側の父がお作りした下顎の総義歯で、左側が私がお作りしたものです。(保険外自費治療)
噛む力をしっかり支える為に、邪魔にならない範囲内ギリギリの所まで広げてお作りしています。
後でまた説明させていただきますが、これが難しいけど重要な勘所です。
まずは上下総入れ歯の事を考えてみましょう。
右の写真は平均的な上顎の総義歯と下顎の総義歯の内面です。
上顎の方が面積が広くて、下顎の方は細いU字型をしているため面積が狭くなっていますが、それは真ん中にある舌をよけるための形なのです。
ものを咬むときは、上下の義歯に同じ力がかかります。
その力を受け止める面積が、上は広くて下の方が狭いために下の歯茎にかかる力が強くなり、痛みが出やすくなります。
例えば、左のように画鋲を指で挟んでみるとわかりやすいかもしれません。
画鋲の上下の面積はもの凄く極端に違っていますので、力を支える面積が広いと痛くなくて、狭いと痛みが出やすいわけです。
上下が総入れ歯になった場合、下の歯茎に痛みが出やすい事がおわかりいただけましたら、次に上下のどちらか、片方だけが総義歯の場合を考えてみましょう。
右の写真は上にはたくさんの歯が残っていて、下だけ総義歯になってから随分ながい人です。上は全然なんともなくても、下の歯茎が痛くてちゃんとものを咬むことができないと言って来院なさいました。下顎骨が痩せてしまっているのがおわかりいただけると思います。
この方には、上下のバランスを整える事が必要であることをおわかりいただき、心を鬼にして上に残っている歯を抜歯させていただき、上下総義歯をあらたにお作りお作りさせていただくことで、歯が残っていたときよりしっかり食べられるようになりました。
右の写真は下にはたくさんの歯が残っていて、上は根だけが一本残っている上から総義歯をお作りした方です。食べたい物をしっかり食べていただく事ができております。
このような事を考えあわせていくと、下顎の歯の方が大切であることをご理解頂けると思います。
上の歯は、自分のお口で食べたい物を食べていくためには、一番最後に大切だということになります。
これらの事をふまえて、治療計画を立てていくことにより、将来にわたって安心して食べていただけるのではないかと思っております。
下の写真のように、残っている上下の歯がどこも咬み合わさらない状態を「すれ違い咬合」と言います。
本当は、歯よりも大切にしておきたい顎の骨が、残っているご自分の歯によって、気づかないうちにすりつぶされていきます。
骨の中を通っている神経のトンネル部分まで潰されてしまうと、強い痛みを感じたり、頬や唇まで痺れるようになってしまいます。
私共が一番たいせつにしたいことは、あなたがご自分を大切にしたいというお気持です。